2009年10月10日〜12日 元国宝で、現在・重要文化財の有名なお寺「妙成寺」さんでの「日蓮さま」の公演は、北國新聞さんが前記事を大きく書いて下さったおかげもあり、金沢や富山・福井からもたくさんの方が見に来て下さった。
懐かしい再会もあり、また、嬉しい出会いもあり、充実した日々であった。
3日目は、開演前に山主さまが法要をしてくださり、場ができあがった。ものすごいものだと思った。 お客様が微動だにされない。
わたしは、静寂な気持ちで舞台に上がった。 すべてが違った。ありがたかった。
この作品は世に出していいものと言っていただいた。 不思議なことが初日に起こった。鳥が客殿に飛び込んで来たのだ。 山主さまも「初めてのこと」とおっしゃった。
名前のわからない鳥は、ばたばたと天井を旋回し、何かにとまっては鳴き声を上げる。 鳥ちゃんはそのままにして、リハーサルを始めることにした。
浄瑠璃が終わると、鳥はす〜っと客殿から出て行った。 みなが「近松さんだ」といった。
わたしもそうだと思う。鳥の姿で「見ているよ」と伝えに来て下さったのだ。 不思議は起きる。 715年前に建てられたお寺で、実在した歴史上の人物である日蓮さまというものすごい人を、300年前に書かれた浄瑠璃で復活させるのだから、近松さんが来ないはずがない。
わたしを鍛えてもらえる作品と出合ったのだ。 これからどのようになっていくのか、まだわからないが、見守りたいと思う。
見守られていることを感じながら。 感謝です。 |