小夜子の世界

ルーマニアのジョン

ジョンとはたった一度会っただけの人である。
しかし、
わたしの人生の1シーンに生涯わすれることの
できなくなる人というのもいるのだ。

2005年の8月、
私と森本滋子さんは、
ユネスコITIに招かれて
ルーマニアへ旅立っていた。
ジョンはウイーンからルーマニアのブカレスクへの飛行機の中で、
3人掛けの通路の席に座った。
森本滋子さんが窓、私が真ん中だった。
軽い食事が出たときから話し出した。
彼はIT関係の会社のえらいさん。
海外出張の帰りだった。
「迎えの人はいるのか」と心配してくれた。
「大丈夫。ユネスコの人が誰か来てくれているはずだから」
ブカレスクに着いたのが夜の10時。
入国手続きと荷物をとるのも手伝ってくれた。
空港からシナイアのホテルまで2時間ほどかかるという。
「ホテルに着くの夜中だな」と思いながら
こころ弾ませ表にでると・・・迎えの人がいない。
「小夜子、1時間待っても誰も来なかったらここに電話を。20分で来るから」
小さな空港ロビーだが、肌を出した女性達もいるし、危険な感じはない。
1時間以上待つ・・・。
しかし、ドルしか持っていないし、電話のかけ方もわからない。
インフォメーションの青年に事情を説明すると、
彼は困った顔をして
自分の携帯電話を貸してくれた。
「ジョン・・・誰も来ないの・・・」
「すぐ行くから待ってて」
普段着に着替えた彼が飛んできてくれたのが0時前。
「小夜子、100ドル払ってタクシーで行きなさい」
日本人女性2名を乗せようと、タクシードライバーがわぁ〜っと集まり
喧嘩がはじまった。
ジョンは黙って私たちの荷物を押しながら駐車場に向かった。
運転手達は何かいいながら付いてくる。
「ジョン、誰が一番安全?」
「ミィ!」 はぁ・・・そりゃそうだ。
駐車場まで付いてきた年輩の運転手が「75ドル」といった。
ジョンは彼の名前と携帯番号を聞き、この場で電話して確かめ、
「何かあったら必ず電話しなさい」と
最後まで私たちの安全を心配してタクシーに乗せてくれた。
ホテルに着いたのが午前2時前。
75ドルを払い、レシート頂戴といったら、
年輩の運転手は75ドルを手にして嬉しそうに、
「勿論書くよ。」
とレシートを出し、ウインクして何か言った。
レシートには80ドルと書いてあった。

次の日、
ユネスコITIのコルネリオ氏と朝食会場で会い、抱擁し合った。
迎えは、向こうの時間ミスであった。

いい人と出会えてツイていたなぁ・・・。
今は懐かしい思い出となっている。

 
2008年03月06日 11:09 | カテゴリ:この人との出会い | コメント (0) | トラックバック (0)
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