小夜子の世界

 坂本和子さん 朗読家・元NHK放送劇団
香港に在住の神戸瑠美子さんのお家に行ったとき、
「坂本和子先生に朗読を習っていたのよ」と
坂本さんの『死者の書』(折口信夫作)のテープを貰った。
聞いた途端に、電気が走った。

坂本和子さんとの邂逅。

わたしの古代歴史との出会いは、この朗読がきっかけだった。

折口先生が生涯にたった一作書いた小説が『死者の書』。
難解な小説にもかかわらず
耳で聞いていて、なんとも心地よかった。
坂本さん朗読を聞きたい!と思った。

2006年の4月 突然、神戸さんから電話があった。
「あれ、今帰ってるの?」・・・
「今日坂本さんの朗読会があるんだけど・・・」
「行かせて貰います」とすぐに応えた。
内幸町ホール。
小降りながら、感じのいいホール。

2時開演。
男性が緞帳前に出てきた。
「あのぉ、坂本さんがこけまして、救急車で運ばれました。(え〜!)
でも、幸い大丈夫なので・・・開演を30分遅らせてください。」
みな、どよめき、安堵とはげましと、心配と憶測が飛び交った。

2時43分。幕が開いた。
作品は『戦艦大和の最期』。吉田満の問題作。
聞いている内に、引き込まれ、涙が出てきた。

1時間半。ときどきことばがつっかかりながらも、
坂本さんは見事舞台を終えた。
神戸さんは泣いていた。
後で聞くと
駅で階段からこけて、頭を打たれたらしい。
ご本人の心中、如何ばかりであろうと・・・

この舞台を自分の引退興行にしたかったらしいのだが、
やめちゃ駄目だよと、
天が
この事故を 
80歳の坂本さんに
与えたのかもしれない。

ひとつのネガティブな出来事から
どんなポジティブな
メッセージも
受け取ることが出来るのだ。

求めていたら、
きっと、いつの日か、求めているものを引き寄せる。
よきことを
求めよう。

そして、自分だけのオリジナルな世界を生涯かけて作ろう。
 
2008年03月05日 09:58 | カテゴリ:この人との出会い | コメント (0) | トラックバック (0)
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