「朴の木の 下には朴の落ち葉かな 神沢利子母」
「清貧 岩倉美佐子
一片のパンには
一片の詩である。
一片にてことたりるゆたかさ。
一片をまもるはげしさ。
得がたき事なれど。
清貧・・・・」
「ふみおばあちゃんは老いて、あらぬことを口走ったものだったが
あれははたしてあらぬことであったのか。
じいちゃんはその生涯に5人の愛人を持った。
裏切られ続けてきたばあちゃんの晩年には
その愛人の姿が見えたらしい。
「さ、どうぞお座りなすって」と、身振りして、ばあちゃんはいったものだ。
むかしはあなた方を憎らしくも恨めしくも思ったことがある。
しかし今はちがう、ごめんなさいとあやまって和解しようと
ひとりひとりをかき抱くしぐさをするのだった。」
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