9月1日、世界SF大会に参加。
昨夜興奮して書いたブログがどういうわけか公開されていませんでしたので、
もう一度ちょっと冷静になって書きます。
[いきさつ]
世界SF大会の受け入れを日本が手を挙げて、
65年の歴史の中ではじめての日本での開催となった。
ゲストの一人が小松左京先生で、小松左京企画として、『待つ女』の語りで登録。
せっかくの世界ということで、日本語と英語の2ヶ国語で上演することに決定。
[英訳ができあがるまで]
日本語版は、3月に大阪ですでに上演していた台本があった。
7月にハリウッドに行った時に姉妹劇団のかずちゃんに翻訳をたのもうと気楽に考えていた。
かずちゃんも「OK手伝うわよ」と気楽だった。
が・・・いざ翻訳しようとすると、言い回しやバックとなる文化の違いで
やさしい英語で表現することができなかった。
帰国して、原作を大事にしながら、わかりやすい日本語に変えようと試みたが、
ふと、わたしが英訳し、それをかずちゃんにチェックしてもらおうと、翻訳に取り掛かった。
日本語は、松川瑠璃花さんの音楽で決まっていたが、
英語版は、河野玲子さんのお弟子さんの小林雄さんにマリンバをお願いしていた。
8月10日の初稽古に、なんとか英訳したものをわたして、
26日までに作曲してもらうことになっていた。
偶然にも NYから友人が来ることになり
14日に、彼らにわたしが作った英語をチェックしてもらった。
文法のまちがいや、わかりにくい表現をすべて直してもらった。なんというラッキー。
小林雄さんになおしたものを送り、
26日最終稽古。
日本語バージョンから変更したところは、
物語の順番をミエコの紹介から始めたこと。
芸者をダンサーに、和歌をまじないの歌に、
名前のない夫をケン、恋人をジョージとつけたことだった。
これは乙部さんを通じて、小松先生の許可を得た。
[直前の変更]
乙部さんから、英語になってもミエコとハルコの性格を演じ分けてもらいたい
と電話が入った。
英語で語ると、どうしても陽気なアメリカ人という表現になってしまう。
ミエコのナイーブでちょっと悲しげな影は残さなくてはならない。
各国の言葉には独特のエネルギーがあることに気づく。
英語だと、肩をすくめたり、眉があがったりする。
言語が身体とつながっていることを感じた。
8月28日、再度、乙部さんから客入れ10分、客出し5分で、中身を45分で。と指示が来た。
え〜〜総ざらいの稽古で、
挨拶30秒、日本語30分、着替えのブリッ2分、英語20分、合計53分30秒となっていた。
今からセリフを5分カットするのは容易ではない。
電話で話しながら日本語版のはじめとおわりの傘の件を、
もったいないが全面カットすることにした。これで3分は縮まった。
英語もテンポをあげて、日本語から英語への切り替えも、
音楽でつなぐようにして、着がえは着物の下に服を着込んでいて、
40秒の早変わりとした。
さて、うまくいくか・・・うまくできる、と確信した。
セリフのカットはちょっと惜しい気もしたが遜色ないように語ることを肝に命じた。
[当日の様子]
午前11時にパシフィック横浜で待ち合わせた。
小林雄さんは、とても段取りがよく、駐車場のこと、
搬入のことを調べておいてくれた。
会議センターに搬入。
マリンバがすっぽりはいる搬入用エレベーターがあるので、帰りが楽だね、と喜んだ。
4階の416号室を下見。
思った以上に人がたくさんいるので、中島さんと小林さんで驚いた。
しかも結構特徴ある格好の人たちが多かった。
そこにいる外国の人や日本の人に、
「2時から小松左京作品を語るので来てください」と話しかけた。
ああ、これはエジンバラ・フェスティバルのノリだ。
何人もの人たちに声をかけ続けた。あ〜あ、わかっていたらチラシ作ってきたのにな〜。
あちこちに貼る宣伝も。
小林雄さんが廊下でマリンバを弾いた。
なかなかよかった。
さすが世界大会というだけあって国際色豊かだ。
さぁ、何人来てくれるのだろうか・・・
[小松左京先生に褒められた]
416号室は小さな会議室。
前のシンポジウムが早めに終わったので助かった。
なにしろ人手に欠ける。
ああ、篠田先生、森本さん、古仲さん、荒武さん〜〜
乙部さんが、小松先生を連れて部屋に!
「小松先生〜〜、うれしいです〜〜」
「英語でもやるのかい?」
「はい、世界大会ですから!」
「へぇ、そりゃすごいね」
お客さんがどんどん入ってきた。
途中出入りがあっても気持ちを集中させてがんばろう、と心に言い聞かせた。
タイムキーパーの福田さんがレジ目を配ってくれたので助かった。
さぁ、いよいよ始まる。
[終演後]
日本語がおわり英語もおわりわたしは引っ込み、
マリンバが盛り上げて「待つ女」がおわった。
「ブラボー!!!」とまっ先に小松左京先生が立ち上がった。
わたしはお辞儀をした。
小松先生が「小夜ちゃんありがとう。これを書いた小松です」と客席にあいさつされた。
みんな一斉に笑った。
(先生、超有名人ですよ!しかも、今回のゲスト・オブ・オナーの一人ですから、
み〜んな先生のこと知ってますよ。)
「彼女が舞台で演じるといつもこれ、おれが本当に書いた作品かいな、と思う。いや〜、よかった。」
と、最高のほめ言葉をいただいた。
原作者に喜んでもらえたことが本当にうれしい。
ありがたい。本当にありがたい。
乙部さんも、よかったわよ、と言ってくれた。
わたしが声をかけたミネソタのジャーナリストさんも来てくれた。
美しいはなし、と言ってもらえた。
片付けが終わって、小松先生にご挨拶して、
魚津の辻口さんと米山さんが待っているホテルに3人で向かった。
このお二人は生駒さんのご紹介で出会った方で、
ありがたいことに、12月7日にこの「待つ女」を魚津で上演させていただくことになっているのだ。
お二人は下見で横浜にいらしたのだが、
前日、篠田先生の情報で当日売り20,000円ということがわかり、
お二人とは打ち合わせだけにしたのだ。
お二人に申し訳ないので 9月の末に、魚津に行き、役員さんの前で上演することにした。
音も、小林さんが偶然(いや必然)富山市出身なので、
かれのマリンバ演奏をいれることに急きょわたしのこころが決まった。
彼の魂が、とてもこの作品に合うのだ。
きっと素敵な舞台になる。
辻口さん、米山さん、本当にごめんなさい。もっと早く情報がわかっていたらよかったと思います。
お二人は、魚津に帰られ、私たち3人は午後5時に遅い昼食を中華街で食べ、
つぎの舞台にこころを弾ませて帰りの途についた。
この作品は和の輪の財産演目の一つになった。
次の小松作品は『歌う女』だ。
年内に作り上げたい。
10月30日に、「小松左京の世界&マリンバ」と題して、集いを持とうと思う。
場所は、未定。決まり次第、アップします。
世界SF大会(ワールドコン2007)は明日3日まで。成功祈願!
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